「川から離れてるから安心」は本当か 盛岡の大雨から2年、不動産屋が現場で見た内水氾濫のリアル
盛岡を襲ったあの大雨から、今日でちょうど2年です。2024年8月27日の夜、線状降水帯による記録的な豪雨が盛岡市内を襲いました。
今朝の新聞にも、内水氾濫の想定区域図が全国の多くの自治体でまだ公表されていない、という記事が出ていました。これを見て、日々現場を歩く不動産屋として、どうしてもお伝えしておきたいことがあります。
「色がついてないから安心」の思い込み
物件を探しに来るお客さんから、よくこんな言葉を聞きます。
「ハザードマップで色がついてない(真っ白)だから安心だよね」
「川から離れてるから、ウチは水害なんて関係ないでしょ」
お気持ちは痛いほど分かります。でもこれ、実はものすごく危険な思い込みなんです。
怖いのは「外水」より「内水」
たしかに、川の堤防が決壊する「外水氾濫」のリスクはかなり認知されてきました。でも、今の時代本当に怖いのは、川が溢れる前に下水や側溝の処理能力を超えて街中が水浸しになる「内水氾濫」の方なんですよ。
忘れられない、あの夜のこと
2024年8月27日、上米内や東山など盛岡市内の各地を襲った記録的大雨。あの日のことは今でも鮮明に覚えています。
日中はカラッと晴れていたんです。「今日も暑いね」なんて言いながら普通に仕事をしていました。ところが、夜7時を過ぎたころから急激に空模様が変わって、盛岡市北部などでは1時間に約100ミリという「記録的短時間大雨情報」が出るほどの猛烈な雨が降り出した。雨の音でテレビの音も聞こえないくらいでした。
道路が冠水し、茶色い泥水が溢れてくるあの焦り。「ここは川沿いじゃないのに、なんでこんなに水が」という恐怖。上米内地区では、1年が過ぎてもまだ復旧工事が続いていたほどです。
「マップは安全」では測れない
正直にお話しすると、私たち不動産業者も、以前は「行政が作ってくれた統計データやハザードマップに基づいて説明していれば大丈夫」という感覚がどこかにありました。
でも、あの大雨の現場を目の当たりにして、考えが変わったんです。
行政の統計から割り出した「想定降水量」を、今の雨はあっさりと超えてきます。日中の晴天から夜の急な豪雨への変化を見ても、気候自体が昔とは変わってきている。多くの街の下水道は、そこまでの猛烈な雨を流しきれるようには作られていません。「マップ上は安全」という机上のデータだけでは、現場のリアルな被害は測れないと思い知らされました。
今、物件を見るときにしていること
それ以来、私は物件を見る目や、お客さんへの伝え方が変わりました。
ハザードマップの確認は当然の前提として、現地の地形はどうなっているか。水が溜まりやすいすり鉢状になっていないか。周りの側溝や下水道のキャパシティは足りていそうか。自分の目で見て、現場で感じたリスクを、良いことも悪いことも包み隠さずお客さんに伝えるようにしています。
盛岡は山と川に囲まれていて、古い水路や傾斜地も多い街です。「ここは水害と無縁」という場所は、今の時代どこにもありません。
皆さんが住んでいる場所、これから買おうとしている土地は、本当に「想定内」の雨しか降らない場所でしょうか。
ハザードマップという紙を見て安心するだけでなく、一度、自分の足元の現場をよく見てみてください。当社は1984年から盛岡市山岸で、賃貸・売買・管理の現場に立ってきました。もし不安なことがあれば、ご相談は完全予約制です。お電話(営業時間内は019-662-5353、時間外は自動応答の050-1720-0971)のほか、資料や写真を添えていただける場合はLINE公式アカウントでも承っています。
本記事は2026年8月時点で確認できる気象庁・報道資料等に基づく記述です。降雨量や被害地域の詳細、最新のハザードマップについては、盛岡市および岩手県の公表情報を必ずご確認ください。